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渋滞とベルヌーイの定理 - wakamatsuさんのブログ
wakamatsu さんのブログ
先日車で伊豆へ行ってきた。
いつも国道135号線は渋滞するので、土日を避けて出かけた。
土日ほどではなかったが、いつも渋滞するところは、今回もやはり渋滞していた。
それは、決まって真鶴道路の辺りだ。
静岡県道路公社のweb にもいつも渋滞する場所が掲載されている。
真鶴道路についてwikipedia に記載の内容を要約すると、、
ここは、昔は国道135号線(今の県道740号線)が一本通っていただけであったが、狭隘な屈曲の多い道路であったので、これを解消するため、バイパス道路(現在の国道135号線旧道)が建設され、1968年に完成した。
しかし、旧道と平面交差するところがあったこともあり、渋滞が解消されないので、さらにバイパスの有料道路が建設され、現在の真鶴ブルーライン(現在の国道135号線新道)が1982年に完成した。
という。
つまり、一本の道路を走ってきた車は、真鶴辺りで都合三本の道路に分かれて走り、また、一本の道路に集まるという構造になっている。
流体力学に関するベルヌーイの定理というものが知られている。
厳密に論ずると難しいのだが、ここでは、ごく簡単な場合を紹介する。
非圧縮流体の定常流においては、流速と流路の断面積の積は一定である。
というものである。
大雑把にいえば、
静かに流れている流体の場合流路が大きいところではゆっくり流れ、狭いところでは速く流れる。
ということを定量的に述べているのである。
水撒きのホースの口を絞ると勢いよく水が噴き出す、あの原理を数式化したものと思えば分かりやすいだろう。
この原理を道路の交通に置き換えてみよう。
流速を車の速度、流路の断面積を道路の本数に読み替えれば、
車の速度と道路の本数の積は一定
となる。
この区間に差し掛かるまでと通過後の速度を仮に60km/hとすると
60 = 60 * 1 = 20 * 3
となるから、平均的に分散したとして、1/3の速度になってしまう。
つまり、バイパスを作れば作るほど渋滞は酷くなるということになる。
高速道路の料金所のところだけが非常に広くなっているのも、この原理が利用されているのである。
片道2車線の高速道路の場合、ゲートが10箇所あれば、速度は1/5になり、通常走行を妨げず、そこでだけ速度を落とさせることができるからである。
しかし、料金所の目的は速度を落とさせることにあるが、真鶴道路の目的はその反対で、速度を引き上げることにある筈だ。
立派なバイパスを作ると渋滞が改善されるという思い込みがあるようだが、よく考えて貰いたいものだ。
いい道路を作ったらその代わりにそれまでの道路は通さないような工夫が必要なのである。
廃止にすると町の人が困る、等の声が聞こえてきそうだが、バイパスと町を繋ぐ道路を一本にするなどの通行規制により、通過交通を遮るだけで効果がある筈だ。
しかしながら、私には何のなす術もなく、渋滞に身を任せざるを得なかったことが口惜しい。
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