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私の関心  - 若松 茂三

どこでもドア - wakamatsuさんのブログ

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2012
8月 19
(日)
12:03
どこでもドア
本文

8月16日の人民網日本語版
「中国、100kmの量子テレポーテーションに成功」
と伝えている。
その記事によると、

潘建偉氏など中国の科学者はこのほど世界で初めて伝送距離100kmの量子テレポーテーションに成功し、世界初の「量子通信衛星」打ち上げに向けた技術的基礎を固めた。
「ネイチャー」8月9日号 にその成果が紹介されている。

と新華社が伝えた。

と伝えている。

量子テレポーテーションについてのやさしい解説が以下のサイトに掲載されている。

Quantum Teleportation 
双子の光と量子テレポーテーション

後者の動画などの説明が分かりやすい。

量子テレポーテーションは、素粒子などのミクロの世界で起こる一種の空間移送現象であり、将来の優れた情報伝達手段等を提供する技術として嘱望されている。
テレポーテーションは転送装置としてSFなどには早くから登場している。

研究は、近年着実に進行しており、wikipediaの記事 を要約すると、

1993年に発表されたチャールズ・ベネットらによる論文にはじまり、長い間、実験は困難であるとされてきたが、1997年にインスブルック大学(およびローマ大学)のグループが初めて離散変数の量子テレポーテーション実験を成功させ、翌1998年、カリフォルニア工科大学グループの古澤明は、連続変数の量子テレポーテーションに成功した。
2004年には、古澤明らが3者間での量子テレポーテーション実験を成功させた。
さらに2009年には9者間での量子テレポーテーション実験を成功させた。
これらの実験の成功により、量子を用いた情報通信ネットワークを構成できることが実証された。

となっており、情報通信技術の基礎が着々と築かれてきたことがわかる。
今回の中国の成果は、これらを踏まえて、次世代の通信技術として実用化できる見通しが得られた成果として注目される。

 今回の記事を見て22年前に委員会活動の一環として作ったある報告書を思いだした。
それは、「未踏大規模技術開発プログラム調査成果報告書(平成2年3月)」である。

NEDOの調査事業に委員として参加したおりに、政府の今後取り上げるべき研究開発テーマの一つとして私が提案した、「テレポーテーション計画」というのが、その報告書に掲載されている。

宇宙空間に存在するリーマン空間の実証としてのワームホールの検証
素粒子の連鎖的対消滅を用いた粒子の空間移送
物質の構成情報を伝えて再構築する技術

等を提案したものである。
今回の技術は2番目のアイデアを量子タングルに適用した考え方であると思われる。

「どこでもドア」のような空想的な技術が、近未来のスマートフォンに利用されるかも知れないくらい現実味を帯びた姿で、こんなに早く実現するとは、私も想像していなかった。

 

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