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私の関心  - 若松 茂三

匿名性 - wakamatsuさんのブログ

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wakamatsu さんのブログ

 
2012
2月 25
(土)
22:28
本文

今日のNHKWeb版に「グーグル 個人情報の新方針で波紋」と
いう記事が掲載された。
記事
グーグルは、これまで個別のサービスごとに管理してきた個人情報を
来月から一つにまとめて運用する方針を示し、これに対しプライバシーが
侵害されるリスクが高まるという声が相次ぎ、波紋が広がっている、と
報じている。
グーグルで検索しようとすると、プライバシーポリシーが変更になるとして
了承を求めるページが表示された経験をおもちの方も多い筈だ。
Facebookが実名で個人情報を集めて、巨大な企業に成長したので
グーグルも意識しているに違いない。
今ならグーグルに蓄積されている自分のデータを消すことができるという。
しかし、その仕方はあまり知らされていないようだ。
記事
のページには、その方法が解説してある。
日本語の解説もどこかにあるのかもしれないが私は今までに
見たことがない。

つい先日のニューズウィークにはFacebookを利用するとプライバシー
が危険にさらされると警告する記事が大々的に掲載された。

人々のプライバシー情報が高く売れる世の中だから勢い個人情報の
奪い合いが起こる。
匿名性をもっと尊重したいものだ。

匿名性と言えば、井原西鶴の作品に「大晦日は合はぬ算用」と言うのが
ある。その口語訳が以下にある。
口語訳
貧しい浪人が年を越すにも困り、妻の兄から10両の金を借りた。
親しい仲間の浪人を呼んで酒を振舞うのだが、1両紛失事件が起こる。
身の潔白を証明しようと客は着物を脱ぎ始めるが、1両持ち合わせて
いた浪士は、嫌疑を掛けられるくらいなら切腹すると言いだし、大騒ぎと
なる。
捜しているうちに今度は2両出てくる。
窮地を救おうと誰かが1両出したと思われるが、申し出る者はいない。
そこで主人は、1両を障子の外に枡に入れて置いておき、心当たりの人に
その1両を持ち帰るよう求める。
一人ずつ帰らせその都度障子を閉めて秘密の保護を図る。
こうして1両は持ち主の元に返った。

概略以上のようなストーリーであるが、他人の窮地を匿名で救おうとした
人の匿名性を皆が守ったという話である。
悪いことを隠したのではない。良いことをしてそれを誇らしげに言いたく
ないとする謙譲の美徳を毀損しないように守ったのである。
わが国にはかつてこのような精神文化もあったことを忘れないようにしたい
ものだ。

自己の利益のために他人のプライバシーを漁ることが社会に蔓延しよう
としているが、人間は果たして進歩しているのだろうか。

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