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トンボの眼をもつカメラ - wakamatsuさんのブログ
wakamatsu さんのブログ
トンボなどの昆虫には複眼をもつものが多い。
wikimedia.org より引用
一つではぼけた像しか得られない粗製乱造の目でも、複眼として数多くの目達を動員するとよく見えるのだと子供の頃教わったように思う。
単眼をたくさん集めて作られるたくさんの像から一つの立派な画像に作り上げる仕掛けが私には分からないまま今日まで来たのだが、この度驚くような情報に接した。
それは、写真を撮った後で被写体の部分を選んで焦点をそこに合わせた写真が作れる、そんなカメラが昨年アメリカで発売されたというのである。
その簡単な説明が、動画で
http://www.youtube.com/watch?v=P3UGP0cNNfE&feature=youtu.be&noredirect=1
に掲載されている。
その理論の簡単な説明が、Stanford大学の
http://graphics.stanford.edu/papers/fourierphoto/
に、やや詳しい説明が、Power Pointで
http://graphics.stanford.edu/papers/fourierphoto/fourierphoto.ppt
に掲載されている。
専門的な論文は、
http://graphics.stanford.edu/papers/fourierphoto/fourierphoto-600dpi-submitted.pdf
に掲載されているので、御関心の向きは御覧いただきたい。
光束の自由度は4次元であり、被写体全体から届く4次元の光束を記憶しておけば、その部分集合から適宜どの距離に合わせた画像でも作り出せるということは私も以前考えたことがあったが、4次元の情報をどう記録するかについて適当な考えが浮かばなかった。
この論文によると、このカメラの仕組みは、たくさんのマイクロレンズを2次元に配列しそこを通過した光束をそのまま2次元に配列して記憶させるものらしい。
2次元のマイクロ画像を一つの画素としてそれを2次元に配列したものだ。
4次元を私は厳密に考えすぎていたようだ。
そしてこの論文を読んでみて、これこそがトンボの目、複眼そのものだと気付いたのである。
複眼は、精巧な単眼と同じようなものかと思っていたが、この論文をよく読むと、目の調節を変化させることなく、動体視力を瞬時に獲得する性質のものであることがわかる。
飛んでいる虫を飛びながら捕まえるためには、そのような機能は便利であるに違いない。
止まっているボールさえなかなかうまく打てない、ゴルフ下手の私にはトンボの複眼が羨ましくて仕方がない。
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