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蟻の穴 - wakamatsuさんのブログ
wakamatsu さんのブログ
先月23日の朝日新聞デジタルは、
ユニクロ、「世界同一賃金」導入へ 優秀な人材確保狙う
と報じて、話題を呼んでいる。
「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する「世界同一賃金」を導入する考えを明らかにした。
海外で採用した社員も国内と同じ基準で評価し、成果が同じなら賃金も同水準にする。
という。
日本等の先進国と途上国との賃金格差はかなり大きいが、同じ仕事をして賃金に開きがあるのは、不公平であることは確かだ。
国によっては10倍以上の開きがあるだろう。
しかし、これを制度として公平に保つことは大変なことだ。
会社が二つあって、一方では年収300万円で従業員を募集していて、他方の会社では年収3000万円で募集しているとしよう。
どちらに応募しても仕事の内容は同じだとすれば、年収300万円の方へ好んで行こうとする人はかなり稀だろう。
気違いじみた殺到が起こることは目に見えている。
途上国の優秀な人材が登用できることは間違いないだろう。
一方先進国の従業員は、相当の苦戦を強いられることになるだろう。
途上国の労働力は安いという前提で作られてきた従来の賃金体系は、不公平かもしれないが、先進国の既得権益としてある程度守られてきた。
しかし、このような動きが出てくると労働市場に大きな変化が表れてくるに違いない。
4月27日付けのビジネスジャーナルは、
ユニクロ「やはりブラック企業」の批判 柳井氏の世界同一賃金構想が大炎上!
というタイトルで、ユニクロの方針に反対する評論家などの意見を紹介している。
この流れは、一度誰かが始めるともう止まらないだろう。
待遇が良くなる人達は、自分たちの権利意識に目覚めるだろうから。
我々も先進国の既得権益にいつまでも甘えてばかりいるわけにはいかないかもしれない。
蟻の穴から堤も崩れる、という諺もある。
ウィキメディア・コモンズより
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