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πはどこへ行った - wakamatsuさんのブログ
wakamatsu さんのブログ
容積1リットルの直方体の枡を使って、その1/2、 1/6の容積を測る方法はよく知られている。枡を傾けて、下図のようにすれば、1/2リットル、1/6リットルが容易に計測できる。
最近1ccとか0.5cc位の少量の容積を測ることが多くなってきた。
少しばかりの植木鉢に栽培している草花の消毒に用いる農薬の分量とか、観賞魚の水の追加に用いる水道水の塩素の中和剤の分量などの計測である。
厳密に測る必要はないのだが、かといってあまりにいい加減に見積もるとやはり弊害が出る。メスシリンダやスボイドも用意してはいるのだが、わざわざ用意して測定するのも面倒なこともある。
私のようなズボラな人向けに、これらの薬剤の瓶のキャップにはそのキャップの容積が記してあることもある。
5cc、10ccくらいだと使い易いのだが、一桁少なくなると目分量では測りにくい。
円筒状のキャップを用いて枡を傾けて測るような方法で少量の容積を測ることはできないか、試算してみた。
キャップの内側の寸法を半径1cm 深さ1cmと仮定し、溶液面の縁が底面の円の直径に重なり、溶液がキャップの口に届くまで傾けた時の容積(この場合傾き45度)を計算してみた。
積分してみると、ちょうど 2 / 3 cc になった。
キャップ一杯の容積は、3.14 ccとなり、π を含む無理数となるにも拘らず、意外にも、簡単な有理数となる。キャップ一杯の21.2%となることがわかる。
深さが変化した場合にも全体の容積に対する傾けた容積の比率は変化しないから、5ccのキャップだと、約1ccが測れることがわかる。
ところで、私は、この解に円周率のπが出てこないことに何とも言えない違和感を感じる。
円周の長さ 2 π r
円の面積 π r^2
球の体積 4 π r^3 / 3
球の表面積 4 π r^2
円柱の体積 π h r^2
円錐の体積 π h r^2 / 3
のように円や球に関わる数量には殆ど円周率πが付いてくるのに、この場合にはπが出てこないのである。
πが出てくる場合と、出てこない場合の質的な違いは一体何なのだろうか。
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