Aquascutum（アクアスキュータム）が１７日に経営破綻したことをＮＨＫ始め多くのメディアが伝えた。 記事
Aquascutumは１８５１年に創業されたイギリスの老舗高級服飾ブランドで、防水の機能を備えたコートなどで世界的に評価を受け、イギリスの王室関係者やサッチャー元首相ら多くの著名人が愛用したことでも知られている。
日本の「レナウン」が１９９０年に買収して傘下に置いていたが、３年前全株式を英国Broadwick Group Limitedに譲渡、ライセンス契約による協力関係になっていた。
しかし、長引く景気の低迷を背景に、ここ数年、Aquascutumは販売の不振が続き、４月１７日、管財人のもとで更生手続きに入ることが決まったという。

ヨーロッパ最大の定性マーケットリサーチ団体であるAQRの、日本を拠点とした唯一のメンバーであるラックス・リサーチ・ジャパンによると、世界の高級ブランド品市場規模と企業の売上規模は 「世界の高級品市場規模の遷移」にあるように、１９９５年以来趨勢としては、ずっと拡大傾向を辿っている。
このような情報と照らし合わせてみると高級ブランドの会社が総じて不況の影響で経営が苦しいというわけでは無さそうだ。不思議に思って調べてみた。

wikipediaの「レナウン」の項によりレナウンが今は中国の山東如意科技集団有限公司の傘下にある事実を知った。
欧州や日本と中国とでは、高級ブランドの会社の相対的な価値観が違うということなのだろう。
救済する側の思惑は、救済される側の思惑と一致するとは限らないから、会社が次々と転売されると再建はますます困難になると思われる。
買収劇の中に一流ブランドの栄枯盛衰を見る思いがした。